2023年、サウナ文化に惹かれて訪れたフィンランドでの体験が、no-bu誕生のきっかけになりました。10日間、各地のサウナを巡るなかで驚いたのは、街中をノーブラで自然体に歩く女性たちの姿。日本ではなかなか見られない光景に戸惑いながらも、「自由で素敵だな」と感じました。
帰国後、銭湯からの帰り道でふと考えました。「せっかくリラックスしていたのに、なぜまたブラをつけるんだろう?」
その瞬間、頭をよぎったのは、「日本における社会規範としてのブラジャーの存在」でした。“マナー”や“常識”のように刷り込まれたその感覚は、今まで気づかずにいたけれど、実は女性の自由や快適さに少なからず影響を与えているのではないか、と感じたのです。暑い日にTシャツ1枚で街を歩くことや、バックパックで安宿に泊まること、軽装で気軽に行動すること——そんなちょっとしたことにも、ジェンダーによる差は存在します。小さなことかもしれませんが、性別によって“選択肢”が限られてしまうことがある。それを体感した、瞬間でした。