STORY

no-bu 誕生ストーリー

私たちがno-buをつくる理由

現在、女性が選ぶ下着の主な選択肢は、ブラジャーとカップ付きキャミソール。この2つが一般的です。ブラジャーには、ワイヤー入りのしっかりしたタイプから、ノンワイヤーのソフトなものまでさまざまな種類があります。昨今、様々なリラックス感を重視した下着が増え、選択肢は広がったようにも見えます。でも、私はふと思いました。「本当に、これしか選択肢はないのだろうか?」
ブラジャーもブラトップも、確かに便利です。でもどちらにも、胸の下にゴムがあり、あの“締め付け感”がどうしても気になってしまう。だったら、思い切ってそのゴムを取ってしまおう。あえて「バストを支えない」という選択肢があってもいい。「持ち上げること」より、「心と身体を解放すること」を優先する。
それが no-bu の原点です。

誕生のきっかけは、旅先での違和感

2023年、サウナ文化に惹かれて訪れたフィンランドでの体験が、no-bu誕生のきっかけになりました。10日間、各地のサウナを巡るなかで驚いたのは、街中をノーブラで自然体に歩く女性たちの姿。日本ではなかなか見られない光景に戸惑いながらも、「自由で素敵だな」と感じました。

帰国後、銭湯からの帰り道でふと考えました。「せっかくリラックスしていたのに、なぜまたブラをつけるんだろう?」
その瞬間、頭をよぎったのは、「日本における社会規範としてのブラジャーの存在」でした。“マナー”や“常識”のように刷り込まれたその感覚は、今まで気づかずにいたけれど、実は女性の自由や快適さに少なからず影響を与えているのではないか、と感じたのです。暑い日にTシャツ1枚で街を歩くことや、バックパックで安宿に泊まること、軽装で気軽に行動すること——そんなちょっとしたことにも、ジェンダーによる差は存在します。小さなことかもしれませんが、性別によって“選択肢”が限られてしまうことがある。それを体感した、瞬間でした。

“下着”ではなく“服”だからこそ

よく聞かれるのが、「なぜ下着ではなく“服”として作ったのですか?」という質問。理由はシンプルです。「1枚でさっと着られる快適さ」を届けたかったから。
特に暑い夏の日、素肌にTシャツ1枚で過ごせる心地よさは、何にも代えがたいものです。もちろん、すべてのシーンでブラをつけたくないというわけではありません。でもせめて、自分の体調や気分に合わせて、「今日はノーブラで心地よく過ごそう」と選べる自由が、もっと当たり前にあっていい。no-buは、その選択肢を“服のかたち”で提案したいのです。

“ブラレスウェア”
という新しい言葉で、
新たなライフスタイルを社会へ提示

私たちが提案する「ブラレスウェア」とは、ノーブラで心地よく過ごせる服のこと。ただ「ノーブラで着られる服」と言ってしまうこともできますが、それでは足りないと感じました。新しい概念が社会に根づくとき、そこには必ず、それを表す“言葉”があります。だからこそ私たちは、このプロダクトに「ブラレスウェア」という名前をつけました。「ブラジャーをしないこと=ブラレス」という考え方を、ひとつの自然なライフスタイルとして社会に提示したかったのです。締め付けない=だらしない、ではない。「ノーブラで過ごす」ことは、決してだらしなさではありません。むしろ、“今の自分に必要な快適さ”を選ぶ、前向きな意思表示です。「ブラ=ブラジャー」、「レス=しない」。このシンプルな言葉の中に、「リラックスする時には、こういう過ごし方もあっていいんだ」と思ってもらえるきっかけが生まれることを願っています。